第0研究室
ミッション
第0研究室はアーティストでもある学生が主体となって運営する非営利ギャラリーです。ここでは、学生たちはギャラリーのマネージメントを通して美術の仕組みを学んでいくとともに、以下の様な問題を解決するために具体的なプランを提示していきます。
1: アートの社会的意義の研究
第0研究室がある取手市は、1992年に東京芸術大学取手校地ができてから「取手を芸術の町に」を目標に掲げています。毎年、市内で行われている取手アー トプロジェクト(通称TAP、タップ)では、取手市・芸大・市民が一体となってアートイヴェントを行っています。
2003年度のTAPでは、ゼロ研のメンバーは、市内に壁画を描くプロジェクトに参加しました。しかし、このイヴェントに参加して感じたのは、市民と芸 大・芸大生との目に見えぬ距離でした。芸大が取手にあるにもかかわらず、芸大生は、学外を視野に入れた活動、大学のある取手市とのつながりを重視した活動 をしていません。
また、市民も芸大生と接する機会に乏しいのです。さらに、芸大の現状として、作品発表に対して外部からの様々な意見・批評が聞ける機会も多くありません。 第0研究室は芸大と地域の接点をつくる活動を通じて、依然として閉鎖的な芸大の風潮に風穴を開け、アートの社会的な意義を研究します。
2: ネットワーク・プロジェクト=美術系学校における学校間・学生間交流
第0研究室の思想の一つに、ネットワークの構築があります。ただしここで言うネットワークとは抽象的なコンピュータ・ネットワークではなく、人と人の直の触れあいを重視したパーソナルなものです。
日本の芸大・美大の学科は、日本画科・油絵科・彫刻科・工芸科・デザイン科という風に分断され、19世紀に西洋アカデミズムから輸入された構造を依然とし て温存しています。また、厳しい受験競争の結果、芸大—私立美大—専門学校というヒエラルキーを生み、学校間の交流もあまりありません。元来、芸術のあた らしい動きは、多様な芸術家の交流の場から生まれてきたのですが、教育機関の構造が柔軟な交流を不可能にしています。
第0研究室では、芸大の学生にとどまらず、美術を学ぶ多くの若者たちが参加可能なコミュニティづくりをおこない、彼らの将来の活動に有益なネットワークの構築を目指します。
3: アーカイブの作成・管理・公開
第0研究室では、展示を行ったり、企画に参加してくれたアーティストたちの基礎データや、時には作品ファイルを収集・公開していきます。日本では、アー ティストの資料を集めたライブラリーを設置している機関がほとんどありません。そのため、若いアーティストや学生にも優れた資質を持つ者がいるにもかかわ らず、紹介されないまま才能を眠らせてしまっています。
ゼロ研では、こうした状況を打開するために、ギャラリーやウェブサイトで若いアーティストの情報を開示することで、すこしでも外部との接触の機会を広げていければと考えます