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「日本・現代・美術予備校」展 プレスリリース

  

企画概要
  1. 展覧会名称
    「日本・現代・美術予備校」
  2. 期日
    2005年9月24日−10月2日
  3. 展覧会会場
    取手福祉会館 /茨城県取手市東1-1-5 取手市立福祉会館3階(取手図書館前)
  4. 展示内容
    東京芸術大学 美術学部絵画科 油画専攻の在学生・卒業生が受験生だった時に美術予備校で制作した作品を展示します。展示作品点数は約90点を予定しております。
  5. 展示期間中の企画
    「美術予備校体験ワークショップ」 /石膏デッサン体験
    10月1日(土)、2日(日)開催
  6. 主催
    取手市文化事業団、第0研究室(詳細は添付資料を参照)
  7. 助成
    取手市文化事業団
    財団法人朝日新聞文化財団

「日本・現代・美術予備校」展 企画趣旨

美術家の才能は生まれつきのものであり、美術家は教育によって養成することはできない。近代西洋で生まれた、こうした「美術家=天才」観は、美術の社会的な地位を向上させる役割を担った一方で、美術作品を美術館という非日常的な空間に閉じ込め、鑑賞者から引き離すという負の側面を持っていました。20世紀に入ると、こうした美術観は学者や美術家自身から批判され、既存の美術のあり方を批判する、いわゆる「現代美術」が生まれました。近年では、多くの現代美術家が「美術と社会の関わり」をテーマにした制作を続けています。

では、こうした試みによって、美術と鑑賞者との距離を縮めようという目的は達成されたのでしょうか?残念ながら、答えは否と言わざるを得ません。その反対に、印象派展や日本画展などの方が、安心して見ることができる展覧会として、幅広い支持を集めています。

このギャップはどこからきたのか、またどうすれば埋めることができるのか。「日本・現代・美術予備校」展は、この問題をよりよく理解するために開かれました。本展では、現在東京芸大で学んでいる/あるいは学んでいた、若い美術家たちの受験生時代の作品を展示することで、「美術家は美術家になる前、どん
な教育を受けていたのか」を明らかにすることを目標としています。

これによって、「どうして現代の人たちは普通に絵を描かないのだろう?」「美術作品をつくりだすきっかけとは一体なんなのだろう?」といった、非常に素朴で、それゆえ根本的な問題に対して、何らかのヒントが得られるのではないかと私たちは考えています。

現代美術が分かりにくいのは、美術家が訳の分からないことを考えている「天才」だからなどではなく、彼らの作品を段階を追って鑑賞する機会が滅多に与えられていないからなのです。村上隆や奈良美智など、現代美術家の作品は一見理解に苦しむかもしれませんが、彼らも若い頃には「美術予備校」で、印象派よりも遥かに古くさい、リアルで古典的な絵を描いていました。

残念ながら、本展を見ただけで現代美術の何たるかが分かるようになるわけではありません。しかし、美術家の教育課程を知ることで、彼/女らがつくる現代美術というものに対して、少なくともこれまでとは違った見方ができるのではないでしょうか。

補足説明

* 東京芸術大学…明治時代から続く、日本で唯一の国立芸術大学。非常に入学が難しいことで有名で、とくに油画専攻は倍率が30倍と高く、受験生は平均して2〜3浪している。油画専攻の入学試験はデッサン/水彩画/油絵の三種目で、合格には高度な技術が要求されている。ところがひとたび芸大に入学すると、授業は自由放任主義で、多くの学生はパフォーマンスを行ったり、映像作品を作ったりするなど、思い思いの表現方法を展開している。

* 美術予備校…東大を目指す受験生が予備校に通って詰め込み教育を受けるのと同じように、東京芸大を目指す受験生は「美術予備校」に通って「美術の詰め込み教育」を受けている。予備校では絵画の技術を始め、芸大入試の傾向と対策や、果てはカンニング技術までを教わることができる。授業は非常に厳しく、自分の好きな絵を描く余裕はほとんどない。



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